プロフィール

 原発問題住民運動全国連絡センター(原住連センター)は、原子力発電所の危険から住民の命と暮らしを守ること、福島原発事故の被災者・被災地を救済し復興をはかること、原発の再稼働をやめさせ原発ゼロの日本を築くことを目指しています。


 原住連センターの2020年度役員は、次の通りです(2020年2月16日選出)。

役 職 名 氏  名
 筆頭代表委員  伊東 達也(福島県)
 代表委員(幹事)  早川 篤雄(福島県)
 代表委員(幹事)  立石 雅昭(新潟県)
 代表委員(幹事)  持田 繁義(新潟県) 
 代表委員(幹事)  栁町 秀一( 埼玉県)

 

 代表委員 米谷道保(北海道) 谷崎嘉治(青森) 中島 廉(宮城)
  同上 小林栄次(茨城) 大川正治(群馬) 野村存生(東京)
  同上 児玉一八(石川) 林 広員(福井) 唐沢裕史(静岡)
  同上 岡村哲志(静岡) 出馬益子(三重) 芹沢芳郎(大阪)
  同上 橋本武人(和歌山) 和田 宰(愛媛) 井上勝博 (鹿児島)
  同上 木下 興(民医連) 長沢圭造 (自治労連)  
 監査委員 安部愃三(東京)    
 名誉代表委員 藤巻泰男(新潟) 中村敏夫(茨城)  

 

原発問題住民運動全国連絡センター(原住連)の活動と当面する課題

 2020年2月16日の第33回全国総会・交流集会で確認PDFファイル を参照できます。

 
1. 原発問題住民運動全国連絡センターの歩み
 原発問題住民運動全国連絡センター懇談会は、原発の危険に反対する住民運動を活動の原点として、1987年12月13日に「原発問題住民運動全国連絡センター(原住連)を結成しました。代表委員には、大西譲氏(原発反対三重県民会議)早川篤雄氏(原発・火力発電所反対福島県連絡会)、藤巻泰男氏(柏崎・巻原発反対新潟県連絡会議)、小谷邦男氏(和歌山県日置川原発反対30キロ共闘会議)が選ばれました。

 原住連の全国総会は33回をかぞえ、福島第一原発事故の被害者・被災地の救済を求めるたたかい、原発立地地域での原発の危険に対する住民運動に取り組み、原発ゼロをめざす国民的な運動や、各種の交流集会を開催してきました


[1]原子力発電システムの特質

 A.原子力発電の開発は、核兵器開発と補完関係
  (1) 原子力発電は、核兵器や原子力潜水艦・原子力艦船の開発で築かれたウラン濃縮技術、ウラン再処理技術、軽水炉制御技術等を応用したものである。
  (2) 原子力発電システムの開発は、核兵器開発と補完関係にある。
 B.核分裂性ウランとプルトニュウム
  (1) 天然ウランには、原子力発電の燃料に使われる核分裂性のウラン235(U-235)は、0.7%しか含まれていない。残り99.3は非核分裂性のウラン238(U-238)である。
  (2) ウラン238は、原子炉内で中性子を吸収して核分裂性のプルトニウム239(Pu-239)に変わる。
  (3) 原子力発電では、ウラン235(U-235)の濃度を3~5%程度に低濃縮したものを燃料として使用する。
  (4) ウラン235を90%以上に濃縮したものは、核兵器に使用される。
 C.ウラン235の濃縮をアメリカに依存
  (1) 日本は天然ウランを世界各国から輸入しているが、ウラン235の濃縮はアメリカに依存している。アメリカで濃縮されたウラン燃料は、日米原子力協定によりアメリカの規制下にある。
  (2) 日本の原子力発電所で使用されるウラン235の濃縮作業は、アメリカのウラン濃縮工場の運用を支えており、日本の原子力発電システムはアメリカの核戦略を補完する役割を担っている。
  (3) アメリカと日本の電力会社が必要とするウラン235の濃縮契約は、日本の政府と電力会社が原子力エネルギーに固執し、維持・拡大をはかる国際的な動機になっている。

[2]「原発の危険に反対する」を運動方針の中心に
  (1) 原発への一般的是非の意見の違いを超えて共同できる運動をつくる。
  (2) 思想信条の違いを超えて共同できる運動に取り組む
  (3) 原発問題をめぐる住民投票での3連勝を支えた運動論を発展させてきた。
   ① 新潟県巻町(当時)の原発誘致をめぐる住民投票での勝利(1996年8月4日)
   ② 新潟県柏村のプルサーマル導入をめぐる住民投票での勝利(2001年5月27日)
   ③ 三重県海山町(当時)の原発誘致をめぐる住民投票での勝利(2001年11月18日)

[3]日本は原発を立地するうえで六重の危険をかかえている
  (1) 技術上の危険
    ① 原発は苛酷事故の発生を構造的に排除できない危険をもつ。
   ② 高レベル放射性廃棄物の処理・処分の見通しが立たない危険をもつ。
    ③ 技術上の危険は、日本と世界は同じに見えるが、技術上の危険へ、どう立ち向かうかという点では、日本とヨーロッパ・アメリカとでは雲泥の差がある。
   ④ シーメンス社(ドイツ)とフォーラトム(欧州原子力産業会議)は、「大破局を起こさない原子炉」開発に挑戦してきた。
   ⑤ 日本では、固有安全炉の研究程度しか取り組んでこなかった。
   ⑥ 製造物責任、廃棄物責任を果たさない産業の存在は、本来ありえないこと。
  (2) 経済上の危険
   ① 原発の必要な費用やリスクなどを、コストとして計上していない。
   ② 電気事業法によって電力関係の事業費はすべて電気料金に乗せる「総括原価方式(原発推進の国内的起動力)」がとられている。
   ③ 資本費が高い原発を推進すればするほど、儲かる仕組みとなっている。
   ④ 事業報酬率という事業費の一定比率が「適正な利益」として保障される仕組み。
   ⑤ 事業報酬率は当初8.0%(1960年)と設定され、批判の高まりの中で、2000年には関西電力3.7%その他9社は3.8%、2002年には東京電力が3.5%となった。
  (3) 地質上の危険―世界有数の地震・火山列島に立地する危険をもつ。
  (4) 地理上の危険―人口密集地帯に近接し、集中立地の危険をもつ。
  (5) 行政上の危険
   ① 日本には、国際基準に則った規制機関が不在である。
   ② 日本の原子力安全委員会は、国際原子力機関(IAEA)の国際基準から大きく逸脱。
   ③ 米・旧ソ連の苛酷事故の教訓としてのIAEAの勧告「原子力発電所のための基本安全原則」の実施を、日本は拒否している(原子力安全委員会、1992年5月)。
   ④ 日本で苛酷事故は起こりえないとし、苛酷事故対策を国の規制対象から外し、事業者の自主的活動と位置づけてきた。
   ⑤ 事故直後、原子力安全委員会は決定文書の廃止措置をとった。
  (6) 営業上の危険
   ① 事故が起きても隠蔽・運転を強行する危険がある。
   ② 福島第二原発3号機で発生した「再循環ポンプリング脱落事故」の事例
     1989年1月1日に事故発生。警報が発報しても原子炉を停止せず、同年1月7日の同機の定期検査入り予定日(昭和天皇崩御)になって原子炉停止し、自治体、住民への通報は、1ヶ月遅れの2月に入ってからおこなった。

[4]原発の日本立地は世界一の危険
  (1) 前項の(1)は世界共通の危険性であるが、日本はこれに正面から向き合っていない。
  (2) 前項の(2)~(6)は日本固有の危険性である。
  (3) 2011年3月の福島第一原発事故では、これら「六重の危険」が一気に顕在化した。

2.原住連が取り組んできた「原発の危険」とのたたかい

[1]苛酷事故の防止をめざす取り組み
  (1) 原発事故防止の取り組み
   ① 原住連は第1回チェルノブイリ原発事故現地調査(1991年)以後、日本における苛酷事故の未然防止を最大の課題として取り組んできた。
   ② 住民監視の力で苛酷事故の発生を未然防止すること
   ③ パンフレット『原発大事故 つぎは日本!? 』発行(1992年8月)
   ④ 電力会社へ苛酷事故対策を申し入れ活動
  (2) 苛酷事故には、核分裂反応が暴走する反応度事故(旧ソ連チェルノブイリ原発事故)と冷却材喪失事故(スリーマイル島原発事故・福島第一原発事故)の二タイプがある。
  (3) 原子炉を停止しても、崩壊熱を冷却するために、機器冷却系(RCWS。浜岡原発の場合:海水取水塔→取水トンネル→取水槽→海水ポンプ→機器冷却系配管一熱交換器→連絡ダクト→排水口)を起動させねばならないが、このライフラインが一個所でも途切れれば送水は止まり、冷却材喪失事故に至る。
  (4) <事例1:中部電力>
   ① 原住連は、浜岡原発1・2号機の砂地盤上に設置された機器冷却系配管が地震時の液状化で破壊、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険を指摘してきた。
   ② 中部電力は、液状化についてはいまも否定しているが、浜岡3号機増設時に、3号機取水槽から岩盤中に連携トンネルを掘り、1・2機につなぐ工事を実施する対策をおこなった。
  (5) <事例2:東北電力>
   ① 原住連は、チリ津波(1960年)の際、引き潮が-6.5mに達したことを指摘し、女川原発の機器冷却系の取水口に海水が届かず、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険を指摘してきた。
   ② 東北電力は3号機増設時に、前面海底を-10.5mまで浚渫する工事を実施。
   ③ この工事で、女川原発は東日本大震災時に津波による冠水を免れ、苛酷事故の発生を防ぐことができた。
  (6) <事例3:東京電力>
   ① 原住連は、チリ津波級の津波に襲われれば、機器冷却系の海水ポンプが冠水し、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険を指摘してきた。
   ② 東京電力は、原住連の申し入れに対して何らの措置も取らず、過酷事故を招いた。
   ③ 原住連は、これらの活動を評価され「2011年度JCJ特別賞」を授与した。

[2]福島第一原発事故は人災、原発・核燃から撤退し再生可能エネルギーに転換をめざす国民的合意形成を!
  (1) 福島第一原発事故の基本的性格は、天災ではなくまったくの人災である。
  (2) 原住連は、「原発・核燃からの撤退」と「再生エネルギーへの転換」への国民合意の形成を最大の課題として取り組む。
  (3) 原住連は、今後も試され済みの運動方針を実践していく決意です。
  (4) 原住連は、これらの課題について、情報紙「げんぱつ」を通じて加盟団体・個人会員・読者と共有しつつ活動をすすめてまいります。
                             (以上)
 



― 原発問題をめぐる情勢の基本的認識と運動について(2017年8月)―

 

<原住連の設立>
 1987 年 12 月 13 日、東京都新宿区市ヶ谷の「家の光ビル」で開かれた原発問題住民運動全国連絡センター懇談会のなかで「原発問題住民運動全国連絡センター(原住連)」の結成を確認しました。
 この時、代表委員には、大西譲氏(原発反対三重県民会議)、早川篤雄氏(原発・火発反対福島県連絡会)、藤巻泰男氏(柏崎・巻原発反対新潟県連絡会議)、小谷邦男氏(和歌山県日置川原発反対 30 ㌔共闘会議) が選ばれました。

<運動論>
 原住連は、「原発の危険に反対する」運動を住民運動の原点としてきました。
 この運動論は、国と電力会社の原発開発の推進・強行に対決して、住民運動の共同行動を前進さ せる大きな保障となりました。それは、思想信条の違いを超えて、原発の一般的是非の意見のい を超えて、だれもが共同できる運動だからです。
 原住連は、地域的な「原発の危険に反対する」運動を、全国的な運動として推進し、そのなかで情報・経験を交流する場となっています。

<住民投票での三連勝>
 「原発の危険に反対する」運動は、巻原発建設の是非をめぐる住民投票(新潟県巻町:1996 年 8 月 4 日)、柏﨑刈羽原発へのプルサーマル計画の是非をめぐる住民投票(新 潟県刈羽村:2001 年 5 月 27 日)、原発誘致の是非をめぐる住民投票(三重県海山町:2001 年 11 月 18 日)で、住民側が勝利する力となりました。
 なかでも、東京電力の「城下町」刈羽村での住民投票の 勝利は、NHK の出口調査で「プルサーマル反対」に投票したうち 12パーセントは「原発賛成」の意見を持 つ人びとだったことに示されるように、住民は「プルサーマル反対」の一点で意思を表明しまし た。

<原発の日本立地は世界一危険>
 原発を日本に立地することは、次に示すように六重の危険をもっています。
  ①技術上―苛酷事故を構造上排除できない危険、また放射性物質の処理・処分の見通しがない危 険
  ②経済上―原発のリスクや必要経費さえ計上しない危険、
       また巨額投資の原発建設であればあるほど利益が保障される総括原価方式の危険
  ③地質上―世界有数の火山・地震国の立地の危険
  ④地理上―人口過密地帯への近接・集中立地の危険
  ⑤行政上―国際基準にもとづく原子力規制機関不在のもとで立地する危険
  ⑥営業上―営利優先の運転の危険
 この六重の危険のうち、①は世界共通ですが、②~⑥は日本固有のもので、原発の日本立地は世界一危険なものです。
 国と電力会社は、これらの危険を国民の目からそらすために、「原発は安全」という「安全神話」、「原発は安い」とう「経済神話」を大々的に流布してきました。そして自らもその呪縛にとらわれ たのです。福島第一原発事故は、この六重の危険が一挙に顕在化したものでした。

<苛酷事故の未然防止>
 原住連は、米スリーマイル島(TMI)原発事故(1979年)、旧ソ連チェルノブイリ原発事故(1986年)を経て、国民監視網の強化による日本での苛酷事故の未然防止を最大の課題として取り組んできました。
 なかでも、原子炉停止直後からの崩壊熱の除去のための機器冷却系の監視に重点的に取り組みました。 中部電力に対しては、浜岡1、2号機の機器冷却系海水導管が砂地盤上に支持されており、東海地震時に液状化の危険があるとして、抜本対策を要求しました。中部電力は、3号機増設時に、3号機の沈砂池から岩盤中にトンネルを掘って1、2号機に繋ぐ連携トンネル工事を実施しました。 不思議なことに中部電力は、これを液状化対策として未だに認めていません。
 東北電力に対しては、チリ津波(1960 年)の際、引き潮が海抜「-8 ㍍」まで引いたことから、女川 1、2号機の機器冷却系の取水口に海水がとどかないことを指摘、対策を要求しました。東北電力は3号機増設時に、前面海底を「- 10.5 ㍍」まで浚渫する工事を実施しました。東日本大震災時に、 女川原発が辛うじて津波を被らず、苛酷事故を回避しえたのは、この工事があったからです。
 東京電力に対しては、チリ津波級で、福島第一、第二原発ともに機器冷却系の海水ポンプが津波を被り、運用不能となる事実が判明したことを受け、原住連は、2005年以来、東京電力と粘り強く交渉を重ねてきました。これは、将来予測の話ではなく、現実にあったチリ津波への対処の問題で、指摘直後に対策を講ずるべき問題です。東京電力は、この指摘を一貫して無視し、苛酷事故を招き ました。「想定外の津波高さ」どころか、過去にあった津波対策さえ講じていなかった東京電力の責 任は重大です。

<「世界一厳しい安全基準」という新たな「安全神話」>
 福島原発事故後、国と電力会社は、原子力規制委員会の新規制基準が「世界一厳しい安全基準だ」として、この適合性審査に合格した原発の再稼働を順次、強行しています。
 しかし、新規制基準は福島原発事故の検証にもとづくものではありません。
 また、万が一の事故時の 原子力災害対策、避難計画を立地自治体に丸投げしたもので、事故時の実効性はありません。さら に、日本は世界有数の火山・地震国であるにもかかわらず、想定される火山・地震に本格的に備え ていません。
 福島原発事故の教訓を踏まえていません。
 原子力規制委員会が福島原発事故後、設置されましたが、この委員会は、実質的に推進と規制の相反任務を負う形で発足しました。
 規制委設置法と合わせて、原子炉等規制法に「通常 40 年運転」「特例 60年運転」が新たに法文化され、事故時のどさくさに紛れて、原発の再稼働の道が開かれました。規制委は「通常 40年運転」「特例60 年運転」を「新たな規制」などとうそぶいています。
 福島原発事故以前の原子力安全委員会、原子力安全保安院は、国際基準からは逸脱した規制機関でしたが、形式上は規制機関の体をとっていました。現在の原子力規制委員会は、それさえも投げ捨て、推進と規 制の相反任務をもっており。実に歪(いびつ)な委員会となっています。

<福島原発事故、原子力規制、原子力政策の検証を>
 福島原発事故は、事故の検証とともに、日本の原子力規制の在り方と原子力政策の検証を求めています。
 福島第一原発事故については、政府、国会、民間、東京電力の四つの報告書が出されていますが、未だに事故の検証がされていない中での報告書となっています。また、事故原因についても、崩壊熱の除去の ための機器冷却系の機能喪失による苛酷事故であることを、直截に指摘した報告書はありません。
 日本の原子力規制の在り方では、原子力安全委員会、原子力安全保安院などが国際基準から逸脱 し、国際原子力機関(IAEA)の安全勧告を無視してきたことが、福島第一原発事故を招いたことに 根本的なメスが入れられるべきですが、これを回避して、事故以前より、さらに国際基準にまった く背いた規制委を発足させています。これでは、原発の再稼働は、日本列島が福島第一原発事故以上の災害に見舞われることになります。
 2016年 12月、原子力関係閣僚会議は、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の廃炉決定と「高速炉開発」の方針を決めました。
 日本の原子力政策は 1956 年以来、原子力委員会による概ね 5 年ごとに 9 回の「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画(以下「原子力長計」という。)」と「原子力政策大綱(以下「大綱」といい、2005年に閣議決定)」にもとづき推進されてきました。
 1987年初め、高速増殖炉開発は、「原子力長計」策定当初から動力炉開発の「将来の原子力の主流」と位置づけ られてきたものです。「もんじゅ」は、原子力政策の検証がないままの廃炉が決定され、その一方で「高速炉開発」の決定は「高速増殖炉開発」の「増殖」を外したものですが、原子力政策では位置づけ のないものであり、いずれも不可解です。しかも、関係閣僚会議決定で、簡単に方針を決めるやり方も 異例です。関係閣僚会議の決定は、「もんじゅ」廃炉は世論上仕方がないとし、高速増殖炉の巨額開発 に群がる「原子力ムラ」を温存する策というご都合主義によるものです。
 六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村)は、相次ぐ事故で竣工予定が 2018 年上期に 23 回も延期され、建設費が 2.9 兆円と当初見込みの 4 倍に膨らんでいます。完成後の 40 年間の総事業費は 13.9 兆円 にのぼるとされます。高レベル放射性廃棄物の処理・処分問題は、原発開発当初以来、未だに見通しのない状況が続いています。経済産業省は7 月 28 日、最終処分地選定に向け全国の「科学的特性マップ」を公表しましたが、今日の科学の到達点を反映していません。科学的に真摯に検討したものとはとてもいえません。
 これらの背景には、共通して「原子力ムラ」の特殊利権集団が原子力開発を食い物にする構造があります。私たちは、原発推進政策、核燃料サイクル政策の抜本的な検証を求めます。

<「原発・核燃からの撤退」「原発ゼロ」の合意形成>
 安倍政権が 原発再稼働へ暴走している中で、原発の危険に反対する運動は改めて重要な意義をもっています。 福島第一原発事故の経験を経て、住民が「原発・核燃からの撤退」「原発ゼロ」を求めるのは当然のことです。

 しかし、国と電力会社の何としても原発再稼働をとの激しい攻防の中で、立地地元を 中心に、なお原発再稼働への幻想があります。また、エネルギー論として原発必要悪論が吹き飛ん だ状況でもありません。福島第一原発事故の経験を経たからといって、多くの住民が「原発・核燃からの撤 退」「原発ゼロ」の認識を共有しているわけではない現実を見る必要があります。

 私たちは「福島のいま」を知り、事故の経験・教訓を語るとともに原発の危険を学び、国民的 対話・議論を通じて日本のエネルギー政策、日本経済の「原発依存」の危険について語る国民的対話と議論を通じて「原発・核燃からの撤退」「原発ゼロ」の国民的合意形成をはかることが求められます。

 原発問題住民運動全国連絡センター( 原住連)は、その活動にみなさんとともに頑張ります。
                                2017年8月