情報誌げんぱつ

原発問題住民運動全国連絡センターが発行する情報誌「げんぱつ」の最新号を紹介します。

「げんぱつ」は、毎月1回発行されています。年間購読料は送料込みで3000円です(1部 300円)。

 最新号は、こちらから参照できます。

 2018年9号の主な内容は次の通りです。

1ページ:9月6日、北海道胆振地方中東部地震(北緯 42.7度、東経 142.0度、震源の深さは約40km、地震の規模はマグニチュード6.7)により、北海道電力関内の水力、火力など全ての電源が停止(ブラックアウト)して、北海道全域の約295万戸が停電した。地震時に稼働していた苫東厚真火力発電所の3基の発電機のうち2基は自動停止し、電力供給中の310万キロワットの4割弱がいっきに失われた。強制停電をおこなって対応しようとしたが、効果なくブラックアウトに至った。泊原発1~3号機は、運転停止中だったが、全電源が失われたため、非常用ディーゼル発電機6台を稼働させて原子炉と使用済み燃料ブールを冷却した。

 北海道電力は、リスク分散対策が必要だったにもかかわらず、泊原発再稼働に固執して対策を怠ったために、ブラックストを招くことになった。また、苫東厚真火力発電所の襲った地震は、未知の活断層によるとされている。泊原発についても活断層の存在が指摘されている。泊原発が地震に襲われていたら、今回の災害どころではなくなる。

2ページ:8月30、福島第一原発で発生し続けているトリチウム汚染水の取扱にかかわる説明。公聴会が福島県富岡町で開催された。このなかで、トリチウム汚染水の海洋放出に明確に反対したのは発言者14名中11名でした。賛成したのは大阪大学大学院の招聘教員ただ1人だった。原発問題住民運動全国連絡会の伊東達也筆頭代表委員と早川篤雄代表委員が発言し、汚染水の海洋投棄に反対し、被害を受けてきた当事者の意向を尊重するように求めた。

 東京会場では、原住連栁町事務局長が、文書発言をおこなった。主な内容は、①トリチウムの健康影響について調査結果を公表すること、②トリチウム水の処分方法を恣意的にせず、十分検討すること、③トリチウム水の基準を超える他の放射性核種の問題を明らかにすること、④公聴会をトリチウム汚染水の海洋投棄を容認する舞台にしないこと、⑤トリチウム汚染水の扱いについては、科学的に多元的に検討を深めること、⑥漁民をはじめとする当事者の主権を尊重すること等を文書で提起した。

3ページ:7月31日、原子力委員会は、現在のプルトニウム保管料47トンを上限とする方針を示したが、具体的な削減方法や数値目標を決めていない。日本原子力研究開発機構は、使い道のないプルトニウムについて、海外に処分を委託することをを含めて検討する方針を、原子力委員会に示した。

▼経産省は、9月12日に、太陽光発電の電力を、家庭や事業者から電力会社が買い取る価格を、2020年代半ばに、現在の半額に下げる方針を示した。太陽光発電の普及にブレーキをかけようとしている。再生可能エネルギーの普及をすすめるために2012年から固定価格買い取り制度を始めた。

▼福島市が2018年8月に設置した防護服を着た子ども像「サン・チャイルド」を撤去した。サンチャイルドは「原子力災害がない未来を」表現し、民間団体が福島市に寄贈したもの。市は、放射線教育の機能や屋内遊具のある教育文化施設「こむこむ」に設置した。サンチャイルド像の胸の線量計の数値が「000はありえない」「震災当時は、福島市では防護服は不要だった、誤解を招く」などの意見が、市に寄せられていた。

4ページ:8月30日、日本原子力研究開発機構は、福井県敦賀市にある「もんじゅ」で、核燃料の取り出しを始めた。は廃炉には30年を要し作業は難航が予想されている。機構は、2020年末までに、ナトリウムで満たされた原子炉の核燃料370体と炉外の燃料貯蔵槽の160体を水のプールに移す予定である。政府は、2016年に廃炉を決定したが、開発経費は既に1兆1313億円かかっている。今後の廃炉には、3750億円かかると試算しているが、「もんじゅ」は廃炉を考慮せずに設計されているうえに、ナトリウム処理・処分には難題が多く、経費が大きく膨らむ可能性がある。

▼原子力委員会の岡芳明委員長が、廃炉作業が始まった高速増殖炉原型炉もんじゅの後継とする高速炉開発について、もんじゅと同じナトリウム冷却では経済性がない。「無理なものを研究しても予算と優秀な人材を浪費する。」との見解を発表した。

▼9月10日、新潟県が設置している三つの検証委員会のうち「原子力災害時の避難方法に関する検証委員会」が開催された。花角知事は、三つの検証委員会の枠組みは変えないことを強調した。この日の議題は、事故が起きた場合の情報の伝達体制だった。「何かあった場合には、自治体に東電社員を派遣する体制ではなく、自治体職員を原発に常駐させてはどうか」などの批判が相次いだ。

5ページ:9月18日から開催された第3回南北首脳会談で、平和と非核化についての平壌共同宣言に署名した。朝鮮半島の非核化の実現に向けた具体的措置の一歩として注目される。

▼フランスでは、2015年に決定された「グリーンエネルギー移行法」によって、2025年までに原子力発電のシェアを50%に下げる計画を進めている。

6ページ:「各地からの便り」が掲載されている。

▼9月18日、原発問題全道連絡会と国民運動北海道実行委員会が主催して「原発ゼロ基本法案」の講演会を開催した。講師の鈴木剛氏(日本共産党原発・エネルギー問題対策委員会)は、9月6日に発生した北海道胆振頭地方東部地震に伴う全道大停電について、北海道電力が苫東厚真発電所に依存し、泊原発再稼働に固執して電源分散の対策を怠ってきた問題点を指摘した。原発ゼロについては、次の5点を訴えた。

 ① 2013年から2年間、原発なしでもやっていけることが確認された。 ② 再生可能エネルギーの安定的かつ低価格での供給体制を基本とするエネルギー供給体制の構築が喫緊の課題である。 ③ 福島原発事故後、原発の経済合理性は破綻している。 ④ 「原発ゼロ基本法案」が衆議院に提出された。 ⑤ 原発ゼロ基本法案の実現には、国会内外での運動が求められている。

▼北海道厚真町、むかわ町、安平町の小学校、中学校、高校の12校が、9月18日再開された。

▼9月11日、鹿児島県の市民団体「ストップ川内原発! 3・11鹿児島県実行委員会」は、北海道地震の被害状況を受けて、九州電力と鹿児島県に対して、川内原発1号機と2号機の即時停止と早急な廃炉を申し入れた。今回の北海道地震の震源が未知の活断層とされていることから、活断層がないとされる川内原発でも直下型地震が起きる可能性を指摘し、「そこまで心配しなくてはならない原発は、即時停止し廃炉に」と訴えた。

7ページ:8月の原発事故や点検作業などについて、6件をとりあげている。

▼6ページ(各地からの頼り)からの続き:9月1日、東海第二原発の再稼働やめよ! の取り組みが茨城県水戸市でおこなわれた。東海第二原発は、首都圏に近く30Km圏内には96万人が居住している。集会では、桜井勝延・全南相馬市長は「再稼働させれば、必ず事故は起こる」と力説した。、中嶌栄・美浦村長、原勝征・元日本医師会長、村上達也・脱原発をめざす首長会議世話人らは、再稼働を阻止する決意を表明した。木村結さん(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)と河合弘之さん(脱原発弁護団全国連絡会共同代表)らが連隊の挨拶をおこなった。

8ページ:書評『歪められた地震予測 3・11の犠牲をもたらした構造』世界・10月号 島崎邦彦東大名誉教授

     原発問題の解説『福島第一原発事故後の原発推進の怪?  原発災害のそなえないままに再稼働とは・・・』

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