情報誌げんぱつ

原発問題住民運動全国連絡センターが発行する情報誌「げんぱつ」の最新号を紹介します。

「げんぱつ」は8ページ編集で毎月1回発行、年間購読料(送料込み)は3000円です(1部 300円)。

最新号(1ページ)は、こちらから参照できます。

 2020第370号(1月25日発行)号の主な内容は次の通りです。

1ページ:伊方原発3号機 運転差し止め 広島高裁が仮処分決定

  地震・火山列島立地の危険を指摘 活断層の調査不十分、降下火砕物想定も過小

 山口県の住民3人が、四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求めた仮処分の即時抗告審で、広島高裁・森一岳裁判長は、2020年1月17日に、運転差し止めの決定をした。伊方原発3号機は、定期検査を終えても3月以降も運転を再開できなくなった。

 決定は、国の地震調査研究本部の中央構造線断層帯長期評価などを考慮すると、伊方原発の至近距離において活断層の可能性を否定できないと判断した。四国電力は、十分な調査をしないまま活断層が存在しないとしており、原子力規制委員会の判断には、過誤ないし欠落があったとした。また、火山の危険性について、阿蘇山の破局的噴火に至らない程度の最大規模の噴火を想定すべきだと判断した。このような過小評価を前提としてなされた原子炉設置変更許可申請および、これを前提としてなされた原子力規制委員会の判断も不合理であると断罪した。

2ページ:原発開発の負の遺産・・・行き場のないMOX燃料

 四国電力は伊方原発3号機で、ウrン・プルトニウム混合酸化物燃料(MOX燃料)を使うプルサーマル発電で、本格的営業運転後初めてとなる使用済みMOX燃料を取り出した。伊方原発では、全燃料157体中、37体を取り替えるが、そのうち16体がMOX燃料である。MOX燃料の発熱量は、通常のウラン燃料の3~5倍になる。原子力規制委員会は,使用済み核燃料プールでの長期保管には懸念を示しているが、MOX燃料の再処理施設の建設のメドは、いまだにたっていない。原発開発の新たな負の遺産が増えていくことに違いはない。

▼ 政府・有識者会議 福島第一原発の汚染水の「海洋・大気」放出の検討報告書案

 2019年12月23日、政府の有識者会議は、大気・海洋への放出を前提とした報告書案をまとめたは2031年末に延期された。放射能汚染水は、除去不能のトリチウムだけでなく、他の放射性物質が基準を超える量を含んでおり、総貯蔵量は110万トン。阿武隈山系に降った雨は地下水となって太平洋岸に流れ、福島原発にも流入している。石油備蓄規模の貯蔵施設の検討も必要になっている。

3ページ:福島第一原発の廃炉工程表が5回目の見直し 核燃料搬出が最大5年遅れ

 12月27日、政府は、福島第一原発の廃炉・汚染水対策の関係閣僚会議を開き、廃炉工程表を見直した。使用済み核燃料プール内の燃料は熱と放射線をだしており、安全な保管場所に移す必要がある。これら燃料の搬出開始時期は4~5年遅れになる見込みとなった。燃料デブリの取り出し方法や取り出し時期・見通しは、いまだに示されていない。汚染水処理も難題であり、今後の施設劣化に帯する対策や津波対策等も示されていない。また、廃炉作業の安全な実施には、現場労働者の身分保障と安全確保が前提条件となるが、この対策も示されていない。

▼ 青森県六ヶ所村の核燃料再処理施設 24回の竣工延期 年度内審査進まず

 日本原燃(株)は、使用済み核燃料の再処理工場(青森県六ヶ所村)について原子力規制委員会の安全基準適合審査が進んでいない。政府の核燃料サイクル政策の要になっている再処理工場であるが、これまで事故が相次ぎ、24回も竣工延期に見舞われてきた。日本原燃は、昨年12月審査資料に不備が見つかり、規制委員会は日本原燃に対して再提出を求めている。

4ページ:九州電力玄海原発がある玄海町長が、福井県の原発関連会社から100万円受領

 2020年1月23日に記者会見した佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は、2018年7月の町長選で初当選した直後に、福井県にある建設会社・塩浜工業から「100万円ぐらいを受領した」ことを明らかにした。

▼ 関西電力の歴代15人の幹部も、森山元高浜町助役から金品を受領

 関電幹部と元高浜町助役の森山氏との「原発マネー癒着」は30年以上に及んでいた。

▼ 関西電力が、高浜町に43億円を寄付

 関西電力は、高浜原発がある福井県高浜町に、1号機の設置許可がおりた1970年以降、少なくとも14回で総額43億円を寄付していたことが明らかにあった。9回は森山氏が助役在任中で総額は35億8000万円で、高浜原発3号機、4号機の動きが具体化したときだった。

5ページ ドイツでは再生エネルギーが化石燃料を逆転 

 ドイツでは、2019年に風力、太陽光などの再生可能エネルギーによる発電量が、総発電量の46.1%を占め、石油、ガスなどの化石燃料を逆転した。再生可能エネルギーの中では、風力発電が前年比14.3%伸びた。太陽光発電、水力発電も伸びたが、バイオマス発電はやや減少した。

▼ 韓国で、原発廃炉が2基目。韓国には、廃炉2基を含めて、24基の原発がある。

6ページ:各地からのたより

泊原発の敷地内断層は、活断層・・・「行動する市民科学者の会・北海道」が記者会見

 「行動する市民科学者の会・北海道」(斉藤海三会長)の小野有五北海道大学名誉教授らは、1月21日記者会見をおこなった。この記者会見で、北海道電力・泊原発の敷地内にある「F-1断層」については活断層の可能性を否定できないとの見解を示した。小野氏は、詳しくは月刊誌「科学・2月号」に書いたことを紹介した。

▼ 福島原発の処理汚染水は、環境に放出せず対策を  原発事故被害者らが経産省要請

 1月22日、福島第一原発事故で増え続けている放射能汚染水問題について、「経産省・多核種除去施設等処理水の取扱に関する小委員会=山本一良委員長」に対して、被害者団体などが要請した。要請書は、「事故を起こした世代の責任」として、稚拙なとりまとめをせずに、処理水の長期保管や、とりまとめの説明・公聴会を全国で開催することを求めている。

▼ 伊方原発は、このまま廃炉に

 1月17日に、首都圏反原発連合(反原連)は、首相官邸前抗議をおこない、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町井)について、広島高裁が「運転差し止め」を決定したことを受けて、「伊方原発、このまま廃炉」と唱和した。参加者は「高裁決定は当然だ、日本は地震・火山列島だから、すべての原発を廃炉にすべきだ」「原発基本法を審議させるためにここにきた」などと語っていた。

7ページ:12月の事故など下記の動きがあった。

 ① 経産省:強風地域の鉄塔強度引き上げを求める報告案をまとめた。昨年の台風15号の被害に対応した。

 ② 福島第一原発:5度目の廃炉工程表改訂、使用済み燃料プールから核燃料の取り出しが4年遅れる。

 ③ 規制委員会:福島第一原発3号機の内部映像を公開、原子炉建屋内部の様子を映像で公開した。

 ④ 泊原発:施設から放出された放射性物質の量を、31年間にわたって過小に報告、実際の放出量は2倍だった。

 ⑤ 川内原発2号機:テロ対策の特定重大事故対応施設の設置が期限までに完成せず、5月から運転停止に。

 ⑥ 原子力研究開発機構:大洗研究所で台風15号の強風で倒壊した冷却塔は、木材の腐朽が原因。

 ⑦ 福島原発かながわ訴訟:東京高裁で第1回口頭弁論、村田原告団朝雨と代理人弁護士が意見陳述した。

 ⑧ 和歌山県白浜町議会:核のゴミを持ち込みや処分を拒否する条例を全会一致で可決した。

 ⑨ 伊方原発3号機: 四国電力が伊方原発の使用済みMOX燃料取り出しを発表した。

 ⑩ 規制委員会:大飯原発1号機、2号機の廃炉計画を認可した。廃炉費用は、1,2号機合計で1200億円。

8ページ:「高レベル放射性廃棄物はふやさない、埋めない--科学的特性マップの問題点」

      『科学的特性マップを考える会 著 地学団体研究会ブックレット』

 「核のゴミ」処分の問題点を、簡易・平易に解説した書である。破綻した核燃料サイクルと、行き詰まる高レベル放射性廃棄物の処分について、国民レベルで真剣に議論することを呼びかけている。

原発問題の解説『日本の原発政策の「核オプション」⑨  「ウラン濃縮のアメリカ依存が原発推進の起動力」

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