情報誌げんぱつ

原発問題住民運動全国連絡センターが発行する情報誌「げんぱつ」の最新号を紹介します。

「げんぱつ」は8ページ編集で毎月1回発行、年間購読料(送料込み)は3000円です(1部 300円)。

最新号(1ページ)は、こちらから参照できます。

 2019年第367号(10月25日発行)号の主な内容は次の通りです。

1ページ:「関西電力の原発マネー還流事件」 元高浜町助役から関電幹部20人に3億2000万円

 関西電力の八木誠会長、岩根茂樹社長ら20人に、2011年から2018年の7年間に、元高浜町助役の森山栄治氏(今年の三月に90歳で死去)から3億1845万円の金品が渡されていたことが、10月2日の関電幹部記者会見で明らかになった。森山氏は1977年から10年間高浜町助役として君臨し、部落解放同盟を率いて恐怖政治がおこなわれていた。2011年の福島原発事故後の安全対策工事が急増し、関電は森山氏に資金提供していた吉田開発(株)に工事を特命発注していた。森山氏は、町役場を退職後は、30年以上にわたって関電の子会社などの顧問をしてきた。

 金沢国税局が2018年1月に、吉田開発(株)を査察したことから、不正な金の流れが発覚した。岩根社長は、2018年9月に取締役会にも諮らずに、八木会長と相談して会長、社長を含む8人について軽微な処分をして隠してきた。原発マネーの還流は、関電以外でも指摘されてきた。菅原経済産業大臣は表面的な調査で済ませていたが、選挙違反の疑いがでて辞任した。自民党の世耕弘成元経産大臣、稲田朋美元防衛大臣らへの原発マネーの還流も指摘されている。原発マネーの原資は電気料金と税金で有り、徹底的な究明が必要である。

2ページ:「原発マネー還流 政府の責任で糾明を」 原発マネーの原資は、国民の電気料金と税金

 原発マネーの還流が明らかになったのは、福島原発時後の2011年からの7年間というもので、関西電力・高浜原発建設時からとなれは、その金額は数倍から数十倍になるとみられる。政治家への政治献金としても使われている。この記事では、電気料金と税金を原資としておこなわれた原発マネー還流の仕組みを解明している。

3ページ:「チリ地震・津波の経験を無視した東京電力」 その時に観光業者は「命のらせん階段」を設置していた

 1960年にチリ地震津波を経験した宮城県三陸町の観光業者は、津波の体験から「命のらせん階段」を設置して、2011年の東日本大震災では20人の住民の命を救っていた。この事実が「平和の文化東京ユネスコクラブ」の会報16号(2019年9月25日発行)で明らかになった。

 「南三陸ホテル観洋」の女将・阿部憲子さんの父親阿部泰見さんは南三陸町の鮮魚行商人だったが、チリ地震津波に遭遇し気仙沼に移住した。そこで阿部商店という水産会社を興し、会社が軌道に乗ったあと、南三陸町に「ホテル観洋」を建設した。ホテルは高台の固い岩盤上に建てられ眺めも良かった。2006年、阿部さんは気仙沼の自宅に、外から屋上に通じる「らせん階段」を取り付けた。そして、この「らせん階段」を利用した津波からの避難訓練をおこなってきたところ、2011年に大震災があった。地元の住民は、ここに避難して命をとりとめた。津波が去ったあと、被災者は「南三陸ホテル観洋」に集まった。女将は客室を次々と被災者に開放した。

 「三陸の灯を消させまい」という取り組みは続いている。この物語は、「げんぱつ10月号」で読んでいただきたい。

4ページ: 「東海第二支援に3500億円」経産省の原子力技術開発支援事業」 東電が2200億円を負担

 原発専業会社の日本原子力発電(株)東海第二原発の安全対策費が3500億円となり、日本原電は負担できない。運用開始から40年を経過した老朽原発で東日本大震災でも被害を受けた。大手電力五社が東海第二原発の再稼働を支援援助する計画をたてている。日本原電(株)は、東海第二原発の周辺六自治体の同意を得られなければ再稼働はできない「実質事前同意協定」を結んでいる。福島第一原発事故の被災者への賠償さえ満足におこなっていない東京電力が、再稼働を見通せない他社の原発再稼働を支援することは有り得ない。

▼ 福島県議会が「避難者を公務員宿舎から追い出すための公務員住宅明け渡し提訴」の議案を可決

 10月13日の福島県議会で、福島原発事故により長期避難を余儀なくされている5世帯に対して「東京都内の国家公務員住宅明け渡しと、それまでの賃料の支払いを求める提訴」をおこなう議案を、賛成多数で可決した。5名の日本共産党県議と1名の立憲民主党県議が反対した。日本共産党の吉田県議は「原発事故の長期避難で健康を損なっているなど、個別の事情をまったく考慮しない対応で 、人道上も許されない。」「県が入居者に、2倍相当の家賃を請求し、経済的、精神的に追い詰めている。」「原発事故の被災者を、福島県が訴えるのは、余りにも異常で言語道断だ。」と主張した。

5ページ 核兵器禁止条約の批准書提出が32カ国に、発効にはあと18カ国

 「核兵器廃絶国際デー」の9月26日、国連本部では核兵器禁止条約の署名・批准書の提出式がおこなわれた。提出された署名は79カ国、批准は32カ国になった。同条約の発効に必要な批准まで、あと18まで迫った。

▼ 「核のゴミ」対策 14カ国が初めての会議

 10月14日、原発で発生する核のゴミの対処事例を共有しようとする国際会議が、パリで開催された。使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物をもつ14カ国が参加した。日本では、原発開発から50年以上経過してるが、この問題にまともに立ち向かってこなかった。日本政府は、2017年に放射性廃棄物の地層処分の条件を満たす「科学的特性マップ」を公表し、20年程度で「調査段階」に進めるとしている。この問題は、国際会議の「結論」の押しつけという浅智恵で解決出来るような問題ではない。 

6ページ:各地からのたより

▼「原発賠償の見直しを求める」 福島原発生業訴訟原告団

 「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発原告団(中島孝団長)は、10月9日に、福島県の郡山市、二本松市、福島市、桑折町を訪れて、原発事故の賠償範囲を定めた国の「中間指針」の見直しを求める声を、自治体としてあげるように要請した。要望書では、「①原子力損害賠償紛争審査会に、中間指針改定への意見を述べていただきたい。 ②国と東京電力に対して、損害が続く限り賠償するよう求めていただきたい。」と、訴えている。

▼ 茨城県東海村で「JCO事故20年の教訓を学ぶ」集会が開催された

 1999年9月に発生したJCO臨界事故の教訓を学ぶ「JCO臨界事故を忘れない 原子力事故を繰り返さない 2019年第20回茨城集会」が、東海村で開催された。村上達也・前村長は「JCO臨界事故から福島原発事故への道」と題して講演した。そのなかで、「東海第二原発の再稼働は、日本原電という財政的には破綻している「死に体」の会社を生かして動かすことになる。なんとしてもストップさせないといけない。」と訴えた。福島県から群馬県に避難している丹治杉江さんは「事故で故郷を剥奪され、暮らしが根こそぎ奪われ壊された。」「国が百年頑張るなら百一年頑張る。日本中の原発をなくそう」と訴えた。

▼ 大熊町の避難指示一部解除から半年で、91世帯94人が戻る

 全町避難が出されていた大熊町で、4月10日に大川原、中屋敷地域の一部が避難解除された。大熊町の1万323人のうち7800人が県内、2500人が県外で避難生活を送っている。地域の大半は帰還困難地域でり、人はまだ住めない。

7ページ:9月の事故など下記の動きがあった。

 ① 福島第一原発の汚染水貯蔵タンクの敷地拡大「困難」と政府の小委員会が9月27日に報告した。

 ② 玄海原発3、4号機の運転差し止めを認めず、福岡高裁が9月25日に判決

 ③ 日本原電が、テロ対策「特定重大事故等対処施設」設置に向けた申請書を、9月24日に原子力規制委員会に提出。

 ④ 「私たちのような避難民を、二度とつくらないで」と福島原発津島訴訟原告が、地裁郡山支部で訴え。

 ⑤ 国側が「自主避難は国土への不当な評価」と主張 群馬訴訟東京高裁の第7回口頭弁論で。

 ⑥ 廃炉のもんじゅで、原子炉内の使用済み核燃料取り出し作業を開始

 ⑦ 座雨量試験炉の冷却塔が台風15号の強風で倒壊 茨城県大洗町の原子力機構大洗研究所で

 ⑧ 原子力規制委員会が2018年度原子力白書をまとめる。

8ページ: 「原発ゼロ・再生可能エネルギーを生かす地域・自治体をつくるために」

      『小池徹也 自治労連中央執行委員の報告』

 小池氏は自治労連原発ゼロ・再生可能エネルギー政策検討委員会事務局長を務めている。同委員会は2018年6月に東海第二原発の事業者である日本原電と、周辺自治体である東海村、那珂市、ひたちなか市、茨城県を訪問し、2018年3月29日の「新安全協定」や避難計画について懇談した。その取り組みがまとめられている。    

原発問題の解説『日本の原発政策の「核オプション」⑥  「抑止力論と核武装論」

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