情報誌げんぱつ

原発問題住民運動全国連絡センターが発行する情報誌「げんぱつ」の最新号を紹介します。

「げんぱつ」は8ページ編集で毎月1回発行、年間購読料(送料込み)は3000円です(1部 300円)。

最新号は、こちら から参照できます。

 2019年第365号(8月25日発行)号の主な内容は次の通りです。

1ページ:「原発立地自治体で初めて『原発ゼロへ』へ」 福島第一原発、福島第二原発の廃炉を正式決定

 東京電力ホールデングスは、7月31日の取締役会で、福島第二原発(福島県楢葉町、富岡町)の全四基の廃炉を正式に決定した。これで、福島県内の原発10基は、すべて廃炉が決定し、原発の立地自治体では初めて「原発ゼロ」を実現することになった。

 しかし、国はいまだに「原発はベースロード電源」と位置づけており、原発の割合を2017年度の3%から、2030年度には20%にする計画である。東電は、柏崎刈羽原発の再稼働とあわせ、東通原発の建設を進めようとしている。さらに、日本原電の東海第二原発の再稼働、最長60年運転に乗り出し、1900億円の資金援助をしている。

 福島第一原発事故の後は、原発事業はビジネスとしては成り立たなくなってきている。国と東電は、原発固執政策と核燃料サイクル政策をやめて、原発事故収束と原発事故被災者・被災地対策に真剣に取り組むべきである。

2ページ:「原発ADR、打ち切り急増 東電が”三つの誓い”を裏切り、和解拒否」

 福島第一原発事故の賠償を求め、住民が申し立てた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、国の原子力損害賠償紛争解決センターの和解案を、東電が拒否して和解手続きを打ち切るケースが、2018年から急増している。住民は裁判を余儀なくされている。

 東電は2014年に「損害賠償の迅速かつ適切の実施の三つの誓い」を決めた。① 最後の一人まで賠償貫徹 ② 迅速かつきめ細やかな賠償の徹底 ③ 和解案の尊重 である。 東電のADR和解拒否は、浪江町(15700人)、飯舘村(3070人)、川俣町(560人)など18件で1万9000人にのぼる。

▼ 「福島第一原発の汚染水処理タンクが2022年の夏が限界 東電試算」

 8月8日、東電は増え続ける汚染水について、タンクでの保管は2020年に限界になるとの試算を発表した。汚染水の処理方法を検討する政府の小委員会はテロ対策施設が未完成で、来春から再稼働中の原発も順次、運転停止に」に追い込まれる。原子力規制委員会は、① 地層注入 ② 海洋放出 ③ 水蒸気放出 ④ 水素放出 ⑤ 地下埋設の5つの主文方法を検討してきた。

 保管中の処理水は、2020年までに敷地内のタンクで137万トンを確保する計画である。多核種除去装置(ALPS)では、放射性トリチウム「は除去できない。また、昨年の調査では、保管されている汚染水には、田の放射性物質が混入していることが判明している。10万トン級の石油備蓄タンカーの経験を生かして長期保管をおこない、放射制性物質の自然減衰を待つななど、発想を変えた取り組みが求められている。

3ページ:「使用済み核燃料の6割を、乾式貯蔵にする動き」

 全国の原発に保管されている使用済み核燃料、1万5260トンのうち、6割以上を乾式貯蔵設備を導入する動きが進んでいる。使用直後の使用済み燃料は、崩壊熱が高いためプールで水冷する必要がある。電力10社のうち、中部電力浜岡原発に400トン、四国電力伊方原発に500トン、九州電力玄海原発に440トンの乾式貯蔵施設の新設を計画し、原子力規制委員会に設置申請をおこなった。東京電力は福島第二原発に使用済み燃料が1650トンあり、敷地内に保管施設を新設する。関西電力は2020年に県外に2000トン規模の保管施設を新設する方針であるが、場所は未定

▼ 「2020年4月に、原発の保安検査に抜き打ち検査を導入」

 原子力規制委員会は、原発の保安検査において、決められた項目を確認する「チェックリスト」方式から、検査官がいつでも施設に立ち入り出来る「抜き打ちのフリーアクセス方式」の検査に転換する。これまでの原発の検査は、3ヶ月に1度、事業者事前通告してチェック項目ごとに検査してきた。2016年に国際原子力機関(IAEA)は、検査精度の硬直性を指摘し改善を求めた。原子力規制委員会は、検査官が実務上で着目すべき点をまとめた「検査ガイド」を作成し、検査官の資格認定制度も設け、規制委員会内部の模擬訓練場で原発の模擬運転体験も実施している。

4ページ: 「東電が賠償を打ち切って、清算金5500万円の返還を請求」

 福島県福島市で、農業資材と園芸用品を販売する夫妻が、突然、東電から賠償を打ち切られ、過去に支払われた賠償金を見直して、清算金を請求された。この夫妻は、原発事故によって売り上げが3割~4割減少し、2019年8月1には、福島県農民連とともに政府交渉も行っている。東電が、自己の加害責任を認め、被災者救済に真摯に取り組むことが求められている。

▼ 「日弁連が集会 原発賠償には 国が責任を果たせ」

 7月27日、日本弁護士連合会は、都内で集会を開催して、福島第一原発事故の賠償には、東電の不法行為の時効10年の再延長、ADR紛争解決手続きの機能強化に国が責任を持てと要求した。

 潮見佳郎京都大学大学院教授は、一連の原発訴訟判決で平穏生活権など権利概念が広がり自主避難、風評被害への賠償などの成果が上がるいっぽうで、裁判所の「壁」があると強調した。渡邊真也ふくしま原発損害賠償弁護団事務局長は、裁判外紛争解決手続き(ADR)による和解仲介について、東電が和解案を拒否する事態が続いていることを明らかにし、ADRの仲介に拘束力をもたせる措置が必要と述べた。福島県弁護士会いわき支部の渡辺淑彦弁護士は、政府の「中間指針」は長期避難による後遺症や営業損害の終期に関する規程など、事故から8年たった中で、改定すべきだと主張した。関礼子立教大学教授は、避難が続く地域や解除された地域では、子どもが戻らず、ふるさと喪失ではなく、ふるさと剥奪という考え方が必要だと述べた。

5ページ 「原水爆禁止2019年世界大会 原爆投下から74年の広島・長崎 核兵器禁止条約の発効を

 原爆投下から74年目の8月6日と9日、原水爆禁止世界大会「ヒロシマデー集会」と「ナガサキデー集会」が開催された。

松井一実・広島市長の平和宣言から 「日本政府には唯一の被爆国として、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いをしっかりと受けとめていただきたい。そのうえで、日本国憲法の平和主義を体現するためにも隔壁に無い世界の実現に更に一歩踏み込んだリーダーシップを発揮していただきたい。」

田上富久・長崎市長の平和宣言から 「日本政府に訴えます。日本はいま、核兵器禁止条約に背を向けています。唯一の戦争被爆国の責任として、一刻も早く核兵器禁止条約に署名、批准してください。」

6ページ:各地からのたより

▼ 原発問題全道連絡会 「幌延深地層研究の継続計画に抗議、2010年3月での終了を要求」

▼ 東海第二原発の避難訓練 「小学生が避難先に、大型バスで移動」

▼ 福島県浪江町 「酒造り 始動 山形へ避難の酒蔵が2年後に再開目指す」

7ページ:7月の事故など下記の動きがあった。

 ① 福島第二原発の廃炉に伴う核燃料の一時保管を知事が了承 ② 東北電力が女川原発一号機の廃炉計画について宮城県と事前協議 ③ 福島第一原発1・2号機の排気筒解体工事作業を8月から再開 ④ 生業訴訟の控訴審裁判の第6回口頭弁論がで原告6人の本人尋問がおこなわれた。 ⑤ 福島第一原発の放射線量を東電が1000倍高くホームページに公表、担当者がミス。 ⑥福島第一原発事故の避難者である浪江町の津島地区住民約5000人が国と東電に対して原状回復と損害賠償を求めた津島訴訟の第20回口頭弁論が福島地裁郡山支部で開かれた。 ⑦ 玄海原発3・4号機の安全対策不備による運転差し止め訴訟で、福岡地裁は住民らの請求を却下した。 ⑧ 福島第一原発3号機で、使用済み核燃料プールからの使用済み燃料の搬出を再開した。

8ページ: 「原発の本当のコストを評価する」 『世界 7月号』の特集  原子力の終焉  大島堅一論文

 この論文は、ブラックボックスと言われてきた日本の原子力発電の本当のコストに迫る論文である。大島堅一氏は、資源エネルギー調査会の発電コストワーキンググループが提示した方法に基づいて、既設原発の発電コストを計算し、一覧表で示した。    

原発問題の解説『日本の原発政策の「核オプション」④日本の核武装論議は途絶えたことがない

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