情報誌げんぱつ

原発問題住民運動全国連絡センターが発行する情報誌「げんぱつ」の最新号を紹介します。

「げんぱつ」は、毎月1回発行されています。年間購読料は送料込みで3000円です(1部 300円)。

 最新号は、こちらから参照できます。

 2018年10号の主な内容は次の通りです。

1ページ:再生可能エネルギーの主力電源化は、どこに!?  九州電力は10月13日、太陽光発電事業者に、発電を一時停止させる出力制御を実施し、9750件の太陽光発電施設(出力は43万キロワット)を遠隔操作で停止させた。

 北海道電力は地震による損傷で緊急停止した発電所が発生して、過重な負担を負った残りの発電所が連鎖的に停止して北海道全域の停電が発生させたが、九州電力では原発再稼働で需要を上回る発電量となる見通しとなったことを理由にして、原発ではなく太陽光発電を停止させて発電量を調節する方針を決めた。

 政府はエネルギー基本計画で、2030年に再生可能エネルギーによる発電量の比率を22~24%に引き上げ主力電源とする方針を決めたが、九州電力は逆行する方針を決めた。九州電力は川内原発、玄海原発を再稼働させているが、とるべき方策は再生可能エネルギーの削減ではなく「原発ゼロ」へ向かうことである。

2ページ:「市民・地域共同発電所フォーラム」 10月5~7日、長野県飯田市で、10回目の「市民・地域共同発電所全国ファーラム」が開催された。市民・地域共同発電所は、全国で1000基をこえ、普及・拡大している。

 飯田市の牧野光朗市長が「市民参加による再生可能エネルギー事業からの持続可能な地域づくり」について報告した。また、茅野恒秀・信州大学教授は「エネルギー転換の社会構造と変革の道」と題して講演した。

 分科会では里山資源を活かす小規模バイオマス利用、地域新電力と自治体政策などテーマ別の取り組みが報告された。全体会議では、「原発や化石燃料に依存しない安心・安全なエネルギー社会の実現をめざす、 出来るだけ早く自然エネルギー100%の社会になるよう尽力する」アピールを採択した。

▼10月13日、福島県浪江町で8年ぶりに運動会が開催された。 開校したばかりの創成小中学校の子ども10人と隣接するこども園の園児11人、町民200人余が参加し、笑顔で元気な声を交わし合った。

▼「ふるさとを返せ、津島原発訴訟(金野秀則・原告団長)」の現場検証が、9月27日、28日におこなわれた。福島原発事故で帰還困難地域に指定された福島県浪江町津島地区の住民は、東京電力に原状回復と完全賠償を求めている。福島地裁郡山支部の佐々木裁判長らは、雑草が生い茂る浪江高校津島校舎、石材店の末永一郎さん宅、津島保健所、津島小学校、津島商店街などを検証した。

▼福島の高校生を招いて、京都合唱祭が開催された。京都市左京区の京都会館で開催され、福島県の郡山東高校、福島東高校、郡山高校、喜多方高校合唱団が招待され、交流した。

3ページ:広島高裁の「伊方原発運転差し止め仮処分決定」を取り消す広島高裁が不当判決  9月26日、四国電力の伊方原発の運転差し止めを認めた広島高裁の仮処分決定について、広島高裁の三木昌之裁判長は、「頻度が低く予測が難しい巨大噴火による被害は、社会通念上容認されるとして、四国電力の異議を認めて、仮処分決定を取り消した。

 原子力規制委員会が新規性基準で使う「火山ガイド」では、火山が原発から160km以内にある場合は、火砕流などが及ぶ可能性がないかどうか評価する。過去の火山活動やマグマだまり等を把握し「十分い小さい」と判断できなければ原発立地には適さないと定められている。2017年12月の仮処分決定では「火砕流が到達した可能性は十分小さいとは評価できず、原発の立地は認められない。」と判断して運転差し止めを命じていた。

▼福島第一原発の汚染水は、浄化後も基準値を超えている。 東京電力は9月28日、福島第一原発のタンクに貯まっている94万トンのうち89万トンを分析したところ、76万トンの汚染水は、放射性物質による汚染が基準値を超えていると発表した。多核種除去設備(ALPS)で処理した汚染水タンクから基準値の2万倍のストロンチウム等が検出された。東電は、「放射性物質の吸着剤の性能低下や設備の不具合が原因」と説明している。再びALPSで処理しても、処理量は1日当たり340トン程度。汚染水は年間で8万トン増加し、2020年にはタンク増設の限界が迫っている。

4ページ:データ不正の免震・制震装置 防災の基盤を揺るがす  油圧機器メーカーKYBが,地震対策に使用されている免震・耐震ダンパーの検査データを改ざんしていた。浜岡原発では、32本の免震ダンパーを使用し、他の原発でも使用されている。品質管理データの改ざん等の問題は、これまでに神戸製鋼、三菱マテリアル、東レ子会社、宇部興産子会社、日産自動車、日立化成などで相次いで発覚している。

▼10月18日、原子力規制委員会が東海第二原発の工事計画を認可  40年の運転期間を60年に延長して再稼働をめざしている東海第二原発について、原子力規制委員会は、詳細設計による工事計画を認可した。福島第一原発と同じ沸騰水型原子炉である。新規制基準の適合審査では、機器冷却系とくに海水取水口の腐食や損傷の危険が指摘されている。周辺自治体からは、再稼働に反対する声がでている。

5ページ:トランプ政権が 核兵器禁止条約に対抗構想  「核軍縮条件創出(CCND)イニシアチブ」構想の具体化をすすめようとするトランプ政権は、現在の安全保障環境では核軍縮自体を議論する状況にはない、将来の軍縮交渉に向けた条件の創出を目的に安全保障上の懸案に取り組む対話への参加を呼びかける方針を打ち出した。

▼中国は、福島第一原発事故後、日本の12都県産の食品輸入を停止している。原発事故後に輸入規制を設けた54カ国・地域のうち、これまでに29カ国が撤廃し、17カ国・地域が条件付で輸入を認めている。輸入解禁が進むかどうかは外交次第である。

6ページ:「各地からの便り」が掲載されている。

▼1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社(JCO)で臨界事項が発生した。「JCO臨界事故を忘れない、原子力事故を繰り返させない9・30茨城集会」が開催された。東海第二原発の20年延長問題について後藤政志さん(元東芝原子炉格納容器設計担当)が報告した。福島県浪江町議の馬場績さんは福島第一原発事故の被害状況を詳細に報告した。

▼泊原発を再稼働させない北海道連絡会は、10月17日から3日間、後志管内の13市町村を訪問して、「現行の泊地域の避難計画は実効性がなく、再稼働しないように求めて下さい。」と懇談した。

▼10月1日、「生業を返せ、地域を返せ!」の福島原発被害者訴訟の控訴審が仙台高裁で開かれた。福島県や宮城県から250人が集まり集会とデモ行進をおこなった。

▼9月28日、四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求めた住民に対して、大分地裁は仮処分申し立てを却下した。弁護団の河合弘之弁護士は「原子力規制委員会の火山ガイドを合理性を有すると断定するなど、と原子力ムラいいなりの極めて無責任な内容だ」と批判した。

7ページ:9月の原発事故や点検作業などについて、8件をとりあげている。

8ページ:書評『原発訴訟と裁判官の責任 3・11後の司法をめぐって』世界・10月号 樋口英明 元裁判官

  原発問題の解説『福島第一原発事故後の原発推進の怪? 放射性廃棄物処分の見通しがないまま再稼働とは・・・』

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