原発の最大限活用に舵を切った第7次エネルギー基本計画
政府は2月18日、第7次エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画、GX2040ビジョンを閣議決定した。この計画は原発や火力などの大規模集中型の電源による電力の大量生産・大規模消費の構造を温存する内容であり、気候変動危機に背を向け、国民に大きな負担を強いるものであり、国際社会が求める課題からも乖離している。最大の特徴は、2011年の福島第1原発事故以降、「原発依存度の低減」を明記してきたが、今回、その文言を削除し「原発の最大限活用」を明記。名実ともに原発大推進へ回帰したことである。
原発の40年度目標は「2割程度」とするが、現在の発電量の3倍近い目標である。新らたに増設しても間に合わない。再稼働させた原発を全て60年稼働させても3倍はできそうにない。再エネの40年度目標は「4~5割程度」であり、日本独自の再エネ資源の「最大限活用」の姿勢は見えない。見えるのは政府・経済界による原発、火力などの大量生産・大消費構造とサプライチェーンの維持である。この構造を維持したままで自然再生エネルギー・蓄電・省エネルギーへの転換はありえない。