中部電力は13日、浜岡原発(静岡県)の防潮堤を海抜22mから28mにかさ上げする方針を原子力規制委員会の会合で表明した。再稼働の条件となる規制委の審査で、想定する津波が防潮堤を越える25・2メートルとなったため対応を検討していた。かさ上げは2度目となる。工期や費用は未定としている。 浜岡原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域に立地する。中電は東京電力福島第1原発事故後の2011年9月、18mの防潮堤の建設を開始。しかし12年に内閣府が19mの津波想定を公表したため、18mの防潮堤の上に4mの壁を追加する形でかさ上げし、16年3月に完成した。今回、追加した4mの壁を撤去し、10mの壁に付け替える。さらに海側と陸側に壁を新設し、防潮堤を挟み込んで補強する。津波や地震に耐えられるように周辺の地盤も改良する。林社長は「(敷地に津波の侵入を許さない)ドライサイトを守ることは必須だと思っている」と説明した。改造工事の詳細は今後を待つことになるが、防波堤にかかる水平力は2.4倍、回転モーメントは3.8倍にもなる上、巨大地震動にも耐えなければならない非現実的な設計・施工になる。
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