核禁条約第3回締約国会議が開催される ―核兵器の完全廃絶、核抑止論批判を力強く発信―
核兵器禁止条約第3回締約国会議が3月3日から7日までの5日間にわたり国連本部(米ニューヨーク)で開催された。核兵器禁止条約は、4年前の21年に発効し、これまでに73の国と地域が批准し、94の国と地域が署名。署名数94は国連加盟国の半数に近い。オブザーバーを含め87カ国が参加した。
日本からは24年にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆禁止被害者団体協議会(日本被団協)や日本原水協の諸団体をはじめ多くの反核平和団体、国会議員らが参加した。ところが石破政権は、米国の「核の傘」を理由にオブザーバー参加すら拒んだ。日本の安全は核抑止に頼っているので、それを否定する会議には参加できないとの理由。被爆者はじめ内外から失望と批判の声があがった。会議では濱住治郎日本被団協事務局長代行が演説した。
最終日の3月7日、核兵器廃絶への「揺るぎない決意」を表明する政治宣言を全会一致で採択した。宣言は、核兵器の使用とその威嚇を強く非難し、核兵器の完全廃絶を力強く訴え、特に、「核抑止力」は「すべての人の生存を脅かすリスク」だとし、核兵器廃絶は「単なる願望ではなく、世界の安全保障と人類の生存にとって必須」だと強調した。安全保障の視点から「核抑止」克服の重要性を明らかにした報告書が採択されたことも注目される。