福島原発かながわ訴訟が勝利判決 国と東電に賠償命令 自主避難者にも慰謝料を認めた

 2019年2月20日、横浜地裁で「福島原発かながわ訴訟」の判決がでた。神奈川県内に避難した60世帯176人が、東電と国に対して計54億円の賠償を求めた訴訟で、判決は「東電と国は2009年には津波の危険性を予見できたにもかかわらず、電源設備を地下から移設する等の対策を怠ったとして、「国には、看過しがたい過誤、欠落があった」と断罪した。

 賠償については、帰還困難地域、居住制限区域、避難指示解除準備区域からの避難者に対する「ふるさと喪失慰謝料」の支払を命じ、国の中間指針に最低50間円、最高450万円の上積みを認め計4億2千万円の賠償の支払いを命じた。避難指示区域外からの避難者については、避難しないことで「将来がんに罹患したとしても、それが放射線被曝を原因とするものなのか」「判然としない事態を受忍して生活を続けることにほかならない」と指摘し、区域外からの避難の合理性を認めた。

 弁護団は「今回の判決が、賠償のあり方を変えていく一つの道標になると思う」と述べた。

 原告団・弁護団声明は、こちらから参照できます。