火山と原発を考える全国交流集会in鹿児島 開く

 原発問題住民運動全国連絡センター(原住連)が主催する全国交流集会が、10月26日、27日に鹿児島市で開催された。26日には、大型観光バスを満席にした参加者により、薩摩川内市寄田の入戸火砕流堆積物など、数カ所で、姶良カルデラの巨大噴火による火砕流の痕跡と、カルデラ火山に近接し立地されている川内原発の現況を視察した。

川内原発周辺では、2018年11月に保安林を伐採し、川内原発3号機予定地周辺の工事が進んでいた。またテロ対策の新たな安全対策工事も進められていたが、2020年4月には「特定重大事故対処施設」は完成せず運転停止に追い込まれる見通しだ。

現地調査における写真として、入戸火砕流堆積物跡:シラス台地( 写真1 )と川内原発( 写真2 )を参照できます。 

 27日は、鹿児島市内の会場で記念講演と全国交流集会をおこなった。集会の初めには念講演があった。最初に、鹿児島大学地震火山地域防災センター客員教授小林哲夫氏が、50ページをこえるレジメにそって「鬼界・姶良カルデラなど巨大カルデラ火山の実相と研究の現状」の演題で、カルデラ噴火の予知・予測へのアプローチ、カルデラ火山と活火山との本質的な違い、巨大カルデラ火山の実相、現在すすめているカルデラ噴火と前兆噴火の予知・予測をめざす研究等について、約1時間の講演があった。小林哲夫鹿児島大学名誉教授(写真1写真2)の講演レジメは、こちらから参照できます。

 次に立石雅昭・新潟大学名誉教授(地質学)から川内原発を襲う可能性がある破局的火山噴火と「火山影響評価」ガイドに対する火山学者の問題提起、噴火前兆をとらえる体制と判断基準等についての講演があった。立石雅昭新潟大学名誉教授(写真3)の講演レジメは、こちらから参照できます。

 引き続いて「全国交流集会in鹿児島」への原住連としての問題提起が、原住連筆頭代表委員の伊東達也氏からあった。伊東達也代表委員の問題提起発言のレジメは、こちらから参照できます。

記念講演会での小林名誉教授とカルデラ噴火の説明図を、こちらから( 写真 、 説明図 )参照できます。

 これに対して全国各地からの参加者による報告と討論がおこなわれた。

 報告と討論のまとめなか伊東達也代表委員がおこない、そのなかで次回の全国交流集会は、福島県でおこなわれる予定であるとの報告があった。最後に、「鹿児島からのアピール」を採択して閉会となった。アピールは、こちらから参照できます。