ふるさと喪失慰謝料支払え 東電を厳しく断罪   福島原発事故避難者訴訟

 3月12日(金)、福島第一原発事故・避難者訴訟で仙台高等裁判所は、福島地裁いわき支部判決(2018年3月)の弱点を克服し、1審判決より1億5000万円多い7億3000万円の損害賠償の支払を命じました。

 仙台高裁判決は、2002年に国の地震長期評価予測がでて、市民団体からも再三にわたり地震・津波対策を求めたにもかかわらず実施を「先送りして」してきたことは「痛恨のきわみ」と、東電の悪質性を認定しました。そして「ふるさと喪失による慰謝料として600万円を認め、帰還困難区域の住民に対し一人当たり1600万円の損害賠償を認めました。さらに、「避難を余儀なくされたこと自体による慰謝料として」150万円~70万円の増額を認めました。

 判決を受けて、早川篤雄原告団長は「正義がとおったと感激し、震える思いで判決を聞いていました。想像以上の判決です。良識を信じて訴えてきたことが報われました。」「判決を東電に実行させるたたかいが重要になっています。きょうの判決を起点として、正義が通るように頑張っていきましょう。」と述べました。

 原告弁護団の広田次男共同代表は「裁判所は活きていたと感じています。これまで14万人を超える人々が避難生活を余儀なくされてきたが、提訴している人はその1割にも達していません。この判決を避難者全員に水平展開していく大運動のために、力をつくしていきたい」と決意を語っています。

 判決を受けた早川篤雄原告団長と小野寺敏孝弁護士の生の声を、(こちら) (毎日新聞)から聞くことができます。