福島第一原発事故 東電刑事裁判開く

東京電力の経営陣が福島第一原発事故をひきおこした刑事責任を問う裁判が、6月30日に東京地裁で始まった。この裁判は、2012年に避難住民が東京電力の勝俣恒久会長ら3名を告訴したことに対して、東京地検が不起訴処分としていた。しかし、検察審査会は二度にわたり議決して強制的に起訴して、初公判が開かれた。検察官役の指定弁護士は、事故の3年前に、東京電力の内部で津波による浸水を認定してにもかかわらず、元会長らが防波堤の計画などを先送りにして対策をとらなかった刑事責任を追及した。元会長らは「事故を予見するのは不可能だったので無罪である。」と主張した。原住連と福島県連絡会は、2005年以来、福島原発の津波による過酷事故を未然に防止する立場から、崩壊熱を除去する危機冷却系が機能喪失する危険を指摘して、抜本対策をとるように繰り返し交渉を行ってきた。