東電株主代表訴訟で 東京地裁が旧経営陣に13兆円の損害賠償を命令
7月13日(水)東京電力福島第一原発の事故をめぐり、東急電力の旧経営陣(勝俣恒久元会長、清水正孝元社長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長)らを訴えた株主賠償訴訟で東京地裁(朝倉佳秀裁判長)は、旧経営陣に計13兆3210億円の損害賠償の支払いを命じた。
判決は、東電が「津波対策をとれば、事故を防げた可能性は十分にあった。」と判断し、「国の地震調査研究推進本部が公表した地震予測長期評価(2002年)とこれにもとずき最大15.7mの津波の可能性を示した東京電力の子会社の試算を、相当の科学的信頼性がある」と認定した。
そのうえで、東電が長期評価の信頼性を疑い、土木学会に検討を依頼して見解が出るまでの間、津波対策を放置したことを「対策の先送りで著しく不合理であって許されない。」と指摘し「浸水対策をおこなっていれば、重大事故を避けられた可能性はあった。」と判断した。東京地裁判決は、請求額のうち廃炉費用役1兆6150億円、被災者への賠償金7兆834億円、除染・中間貯蔵対策費用4兆6226億円を賠償額として認めた。この判決と比較すると、避難者の4訴訟において、国の責任を否定した最高裁判決の不当性が、浮き彫りになっている。