途上国への資金支援主題にCOP29 問われる日本など先進国の責任

2024年11月11日から24日までアゼルバイジャンのバクーで国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)が開催された(2日間延長)。COP29の最大のテーマは途上国への温暖化対策の資金調達であり、他はCO2の削減目標や炭素市場(取引)などであった。
 先進国から途上国への資金支援で35年までに少なくとも年間3千億ドル(約46兆円)と、現状の1千億ドルの3倍に増やすことで合意した。しかし、途上国や環境NGOは「全く十分」「先進国は歴史的責任を放棄した」などと批判している。
温室効果ガス削減目標として、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が「1・5度目標」には排出量を35年までに19年比で60%削減する必要があると指摘しているなかで、英国が90年比で81%削減、ブラジルが05年比で59~67%削減するとした。これに対し、日本は13年度比で60%削減する案を軸に検討している。IPCCの基準年度である19年度比60%削減は日本が目標とする13年度比で約66%相当なので、新しい目標はIPCC目標に達しない値である。