発電コスト 原発11.7円から12.5円へ上昇 事業用太陽光は8.5円
経産省は12月16日、2040年度時点の電源別の発電コストを公表した。原子力発電コストが事業用太陽光(メガソーラ)を上回った。「計算の前提条件が原発など既存の大型電源に有利」との専門家の指摘がある想定の中でも、原発コストは安いとはいえなくなっている。
2021年に行った試算では、2030年度に全ての発電所を新設する想定で、建設や運転の費用を計算していたが、今回は「2040年度に新設する」想定へ変更した。原子力は21年試算の11・7円以上から12・5円以上に上昇した。事業用太陽光は11・2円から8・5円に減少した。
この試算について、専門家は「原子力は安く見積もられている」と批判する。安全対策工事費が新基準の審査申請時の価格を基準としており、工事時までに実際に上昇した分が反映されていない。事故発生確率引き下げる根拠が不十分。福島原発の放射性廃棄物処分費が入っていないことなどが指摘される。