世界気温最高1.55度上昇 パリ協定目標を初超過
国連の世界気象機関(WMO)は1月10日、2024年の地球表面の平均温度が観測史上最高を記録し、産業革命前の水準を1・55度上回ったとの推計を発表した。欧米をはじめ複数の国際気象機関の観測データから算出。2015~24年が観測史上最も高温の期間だったとも報告。1850~1900年の平均気温との比較では、気温上昇は1・3度にとどまっているとの暫定的な見解を示した。WMOのサロウ事務局長は、24年単年での抑制目標の超過について、「パリ協定の失敗を意味しない」と強調した。気温上昇の主要原因は、化石燃料を使用した暖房や産業活動、交通機関から排出される温室効果ガスにあるとし、23~24年は、太平洋赤道域から南米沿岸にかけて海水温が上昇するエルニーニョ現象も影響したとみている。