福島第一原発事故責任で経営陣3名を起訴
福島第一原発事故で、東京電力の勝俣恒久元会長ら三名の強制起訴による裁判が、6月30日に東京地裁で始まった。
巨大津波の襲来による過酷事故を未然防止する立場から、原住連センターと福島県連絡会は、2005年から抜本対策を求めて東京電力と交渉してきた。
避難住民らの告訴・告発を却下して東京地検は不起訴処分としたが、検察審査会は二度にわたり「起訴相当」と議決してきた。初公判の中で、元経営陣の三名は「事故は予測できなかったので無罪」と主張したが、検察官役の指定弁護士は「東電の社内では、15.7mの津波が来て原発が浸水するという想定がまとめられ、当時の武黒、武藤副社長に報告されていた。」と指摘した。
また指定弁護士は、2009年には中越沖地震への対応をめぐる会議で、当時の原子力設備管理部長だった吉田昌郎氏(前福島第一原発所長)が「14m程度の津波が来るという人もいる」と述べていた事実を指摘し、被告らは「原発の敷地を越える津波の襲来を予見できた」と指摘した。